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慰謝料の請求権 (慰謝料の明細と時効及び起算日)

財産分与との慰謝料の関係

配偶者の有責行為(不貞・浮気・不倫・暴力行為等)の結果、離婚に至った場合には慰謝料請求が認められます。

民法第768条第3項には、「その他一切の事情」の中に、この有責行為も含まれると考えられており広い意味での財産分与の一部と考えられます。
※ ここでは財産分与請求権の時効を思い出して下さい。

しかし有責配偶者に対する慰謝料請求は、有責行為による精神的損害等に対する損害賠償に当たることから「不法行為」と考え判例等では、財産分与の協議等が調っていても、それで有責行為についてまで、まかなえない場合には、別途慰謝料請求が認められるとしています。

財産分与請求権は前述の除斥期間で2年間しか請求し得ませんが、慰謝料については、不法行為のために3年間は消滅時効にかかりません。

但し、時効の起算点は、離婚日ではなく有責行為(浮気・不倫・DV等)がなされた時からですので充分な注意が必要です。

請求手続きについても、財産分与は調停不調後は家庭裁判所の審判となりますが、慰謝料に関しては、離婚と完全に別になす場合には、調停をなさず当初から地方裁判所に訴訟を起こすことも可能です。

慰謝料の金額 (あくまでも一般的な常識レベルの算出)

  有責行為としては、数々の行為があげられます。

イ 不貞行為 (浮気・不倫・不特定多数との性交渉)
ロ 悪意の遺棄 (家庭生活・夫婦生活等に非協力的な状態)
ハ 暴力 (肉体的暴力・言葉による暴力・前述のサイレントDV)
ニ 援助協力義務違反 (「同居の義務」や「相互協力援助」の不履行)
ホ 性交渉拒否 (明確な理由もなく夫婦生活を拒む)
等々、各家庭環境によっては上記に該当しないものも多数あります。
例えるならば嫁姑問題など一冊の本が出来る程、ありますので一部分だけの記載です。

上記の行為に一定の慰謝料が決められていることはなく、双方共に有責行為がある場合などでは、その程度・婚姻期間・子供の有無・経済状況等々、当該家庭にある要素全てを考慮し認定されます。

慰謝料金額については、特段に法令や裁判所に具体的基準が定められていません。
また判例集の収集や分析がなされている訳でもありません。
しかし、冒頭にも記載してある通り、実務の一般的相場は、200万円を挟んで上下しています。

婚姻期間が1~2年と短いものから、昨今の熟年離婚では40年近く連れ添った夫婦が離婚となり財産の奪い合いの様相も見受けられます。
ですが慰謝料金額は、いくら婚姻期間が長くとも一般的な評価は最高で500万円程でしょう。

また双方共に有責行為があり「どちらも同じようなもの」とした場合には、請求そのものが拒否される裁判例もあり、双方共に問題点があると、その程度を評価してから問題解決に進まなくてはならないという長い道のりが待っています。

不貞行為の相手方に対する請求 (実務的請求金額とその取り扱い)

不貞行為はその結果が他方の配偶者に多大な精神的苦痛を与え、家庭の平穏を著しく侵害しているもので、有責行為のなかでも一番と言ってよいほど責任追及が厳しくされるものと思います。

その責任追及が及ばない場合は、配偶者がいる事実を全く知らず、知らされることもなく善良かつ平穏に単なる男女の付き合いとしていた場合だけです。

しかし既に知っていたり、既に紛争になる前から配偶者から妻として挨拶などがあった場合には、男女のどちらから交渉を持ちかけたかは、全く問題の論点とはならず、「家庭の平穏を乱したもの」として民法第709条の不法行為責任を有することとなります。

そしてこの不法行為には、不貞行為の結果として夫婦が離婚に至らない場合にも請求を受けるものですので注意が必要です。

しかし男女が付き合いだした時には、配偶者はいるが、既に長期の別居状態や事実上の離婚状態で夫婦の関係は完全に破綻していた場合には、結婚をしている事実を知っていても不貞行為として請求を受けない場合があります。

尚、このような場合に認められる慰謝料としては、多くが100万円~300万円程度と思われます。

とにかく、第三者が夫婦間に割り込み不貞行為をなすという行為は、単なる離婚の案分割や夫婦同士の過失割合の計算のようにはいきません。

夫婦以外の第三者に慰謝料請求をするといった問題ですから、その内容や程度により評価が難しく、また請求する相手は所詮他人ということで、勢い高額な慰謝料請求に至っている場面があります。

その心理状態は、当事者にしか分からないものでしょうし、多く請求して若干の減額で落とし所としようという心理も働いていると考えられます。

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