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裁判は真実を見極めるものではない

裁判というのは、世の中の真実(本当の事)を見極めた上で判決が下されるものではありません。
AとBがお互いに「自分の言うことのほうが正しい」と言い争って裁判を起こしても、裁判所は「両者の間でもめていることの真実(本当の事)は何であるか」を見極めてくれるものではありません。(ここのところを大概の皆さんはご存知ありません)

神ならぬ(フツ―の人間である)裁判官に、(本当の)真実を探し当てる能力はありませんし、そのために多大の労力を使うほど裁判所はヒマではありません。

要は、AとBの主張していることのどちらが正しいか(真実か)ではなくて、「どちらがよりマシなことを言っているか」という判決をするだけです。
そして、どちらがマシか分からない時は、事実の証明をしなければならない責任を負うほうを負けにします。
AとBは、政治家の演説のようにもっともらしく主張するだけではダメで、それに沿った自分に有利な証拠(契約書・念書・証明書・・・・)と証人を自分の力で裁判所に提出しなければなりません。
(裁判官が真実を見極めるために捜査に当たる警察官のように、事件の現場に自ら出向いて調べてくれることはないのです)

いくら自分が正しいと思っていることでも、客観的証拠を出すことができなければ、「証明が不十分である」として、うそをついている相手が勝つことはいくらでもあるのです。

妻が不倫をしているといっても「帰りがいつも遅い」「その気があるメールが来ている」「近所や友人のうわさだ」「ドライブをしていた」「食事に誘われている」「誰もがあやしいという」・・・・・のでは。「知りません」と争われれば証拠になりません。
「○月○日・・・ホテルへ行った」「関係しているのを現視した」「関係のあったことを示すメールがあった」・・・という証拠がなければ裁判に勝つことはできません。

このように、いくら自分の言うことが正しいと主張しても、それに沿った証拠が提出出来なければ裁判では勝てません。
よろしいですか!
裁判所はAとBのどちらが「マシ」かを決めるだけのもので、裁判に勝ったからといって「あなたの言い分が真実である」と認めるわけではありませんよ。
刑事裁判の無罪判決でも同じことが言えます。
刑事裁判は「疑わしきは被告人の有利に判決せよ」という大原則がありますから、たとえ真犯人であったとしても証拠が不十分であれば無罪とされたり、逮捕されても釈放されることはいくらでもあるのです。

天空にビデオカメラがあって、世の人間の行いを神がすべて監視していれば真実というものは明らかになろうが、神ならぬ裁判官に本当のことが分かるはずはありません。