調査事例【借入調査・素行調査】岐阜県 50代女性の依頼
知らないうちにサラ金から借入が・・・事実を調べてほしい。
依頼内容
【電話御相談】50代女性
最初に電話で「お見せしてから相談したい」と言われて「何を見せて頂けるのですか？」と言ってしまった、漫画のような相談受付、だってよくあるのです、ラブホテルの割引券が10数枚旦那の財布から出てきたとか、旦那がバイアグラを持ち歩いているとか、ここには書くに耐えられない物とか、とにかく今回は電話相談では教えて頂けないので、御相談日の打合せをして、ご来社を待つ事に、「息子も一緒でも良いですか？」と聞かれて、必要ならどうぞと言っておいた。
(母親の相談に息子が付添いは非常に少ない、娘が付き添うことは多々あり)
【来社御相談】
約束の日時に約束通りに親子で来社、息子さんの顔を見たら相当に深刻な様相。まずは、「どうされましたか」と切り出したところ。「これを見てください」と出されたのは、一通の手紙。手に取り裏面を見ると下記の文章が書かれていた。
○○ ○○○様
この度は、ア○フ○をご利用有難う御座います。
このお葉書は、弊社を新規にご利用のお客様に契約に間違いがないか確認のために出しています。
お客様の契約年月日は、平成○○年○月○○日
お客様の契約金額は、○○万円
支払方法は以下のとおりです。
以下は個人情報に係わるため割愛。
所長 この葉書がどうかされましたか？
母親 私はここのサラ金会社から借入れはしたことがありませんし、過去に他店も有りません。
所長 では、なぜ葉書が来たのですか？ 本人確認は、運転免許証となっていますよ。
母親 私は、ペーパードライバーで免許証は、役所か銀行でしか身分証として使った覚えがありません。
所長 ご契約の欄を見ると店頭の貸付になっていますね。
所長 では、奥様以外の女性が店頭に行って融資を受けたことになりますが。
母親 そうです、私はサラ金にお世話に成らなければいけないほどお金に困っていませんし、今後もこんな会社とはお取引はしないです。
所長 奥様は、免許証はいつもどこにしまっています？
母親 私は、免許証は財布の中にいつも入れています。
所長 奥様の財布にさわることができるのは、誰がいますか？
母親 家族全員です。
所長 家族構成を教えてください。
母親 私と夫、夫の姑、男の子供が3人、全員で6名の家族構成です。
所長 奥様の免許証を財布から出してサラ金に行っても、奥様と年が近い人がいないので無理がありますね。それと、契約内容の欄に連絡先電話番号がありますが自宅電話番号だけで携帯電話の欄は記載が有りませんね。融資の際には、必ず電話番号にかけて確認作業をするのですが、借入れ日当日は自宅には誰が居たのですか？
母親 実はその日は私も含め全員が不在でした。
所長 しかし自宅電話の確認済みになっていますね、誰かが出ないと確認は取れません。
母親 そうなのです、今日息子についてきて貰ったのも実は息子の同級生がサラ金会社に勤めていて、融資までの手順を教えて下さって、納得のいかないことばかりで、北村調査事務所に来た訳です。
所長 一番納得のいかないことはなんですか？
母親 融資実行の時に運転免許証を使ったのは、書いてありますから分かりますが、持ち出して使った後に私の財布に返してあるということは、使ったのは家族の誰かと考えています。しかし、自宅には私に近い年の女は居ませんし、当日自宅は無人でしたので自宅電話での確認は不可能のはずなのです。
所長 この出来事は家族全員が知っていますか？
奥様 いいえ、私とここにいる長男だけです。
所長 奥様は犯人に心当たりはありませんか？
奥様 ひょっとしたら夫が持ち出してとも考えましたが、いくら夫が女装してもすぐにバレますし。
所長 なぜ、すぐにバレるのですか？
奥様 禿ていてデブですから、無理です。
所長 では、姑様はどうなのですか？
奥様 姑には預貯金が沢山あることを知っていますから、あり得ませんし、ここの店舗まで行く交通手段がありません。
所長 では、どのような調査をお望みですか？
奥様 長男の同級生から聞いて難しい調査とは理解していますが、この事象が氷山の一角の可能性もありますので、真相が判明するまで徹底的に調べてください。
所長 同席されている長男さんも調査対象ですか？
長男 僕は疑われるのが嫌ですから、家族全員徹底的に調べてください。ただ、確証は無いですが僕は父が怪しいと思っていますが・・・・結果が出て真実が分かれば良いです、宜しくお願いします。
所長 分かりました、お引き受けしますが家族全員を調べるので数週間かかります。
借入調査
覚えのないサラ金会社から、ご契約有難う御座います、などという書類が送達されれば誰でも驚くし、今回のように本人確認が本人の運転免許証で、使用後に財布に戻されているのは99％家族しか考えられない。
依頼者様の意向で、子供達から調べて欲しいとのリクエストがあった為、子供・姑・夫の順番で金融調査にかかった。
結論、夫以外は真っ白、夫はまさに自転車操業状態、月の内にサラ金各社が6件、5日に一回は支払日到来というありさま。ここまで判明した時点で奥様に電話を入れて、夫が借金まみれで、他の家族には問題が無いことを伝えた。
当然ではあるが奥様の反応は、では誰が私の運転免許証を持ってサラ金の店頭に行き私になりすまして融資を受けたのか。夫が女装しても無理なことは、体形的にも顔も余りに違うので、私に良く似た(年格好)女が夫から運転免許証を受取りサラ金の店頭に行き融資を受けたと思う。
ここからは、調査は夫の素行調査を行って欲しい。
長男とも、よくよく相談した結果ですから、調査のことはよく分かりませんが、後は全てお任せ致します。必ず私の運転免許証を使ってサラ金の店頭に行った女を調べあげてください、とご依頼。
素行調査
ここから夫の素行調査に切り替える。毎日、家を出てから帰宅するまでを記録した。
借金まみれになるのが当然の生活、毎日のようにギャンブル三昧。名古屋市内にいれば、中村競輪場か尾頭橋の場外馬券売り場。豊橋市に行けば豊橋競輪場。その合間を使ってサラ金の支払い(ギャンブルで勝った時だけ)
しかし、女の存在が無いので少し落胆していた日曜日の午後に夫がパチンコ屋に行った。慣れた感じでパチンコ屋に入り、広い店内なのに真っすぐパチンコを打っている女の後ろに立ち親しげに肩をポンポンと叩く。女が席を立ち休憩室の方に歩いて行く、調査員も一緒に入り休憩のふりをしながら聞き耳をたてる。
夫 「この間の金まだある？」
女 「もう無いよ、あんたこそ、もう無いの？」
夫 「支払いして余った分は、中村競輪場に寄付してきた」
女 「ふん！ 競輪なんかのどこが面白い」
夫 「今日もまた、この間のように頼む」
女 「また、免許証持ってきたの？」
夫 「ああ、家の電話は俺の携帯に転送してきた」
女 「今日はどこの店舗に行く？ 借りたお金の半分は私が貰うよ」
夫 「今日は○○○が良いと思っているのだが」
女 「あーー、あそこは駄目よ、私が借りているから顔でバレバレ」
夫 「それならば、お前がえらべよ」
女 「○○○○は大丈夫かも」
夫 「よし、じゃあ行くか」
夫が乗って来た乗用車に女が乗り込み発車、この後は某サラ金に行って奥さんの運転免許証で借入を確認した。
借り入れたお金は最初の話通りならば、折半にしているであろうが、車内の中での会話は不明。
目の前で犯罪が行われていることに調査員は、目が点しかし店頭のやり取りは音声だけだが録音できた。
後は、女の身元調査をするだけ。夫は乗用車で女をパチンコ屋まで送り、自分のサラ金の返済に行った。調査員は、女がパチンコ屋を出て自宅に帰るのを確認する為に店内に残った。幸い女はパチンコ屋から歩いて数分の所に住んでいて、身元確認は翌日に完了した。
調査報告
サラ金にまた行く可能性があると思い、奥様に運転免許証を今まで通りの管理にして頂いたところ、まさかの展開。サラ金店頭で奥様になりすまして、名前と干支を復唱している音声がボイスレコーダーにばっちり取れた。
後は数々のサラ金通いのビデオ写真と、ギャンブルにのめり込んでいる現場のビデオ写真を報告書にしてお渡しした。
既に調査の途中で一定の調査報告を奥様に入れていた為に、報告書を受取った後に「今週末に家族会議を行います」「多分離婚になると思います」と言われました。
【調査報告その後】
事件にするかは、まだ検討中と言ってみえたが、結局は奥様の名義で借りたサラ金の借金は奥様が全額支払いを完了させて協議離婚で離婚したと報告を頂いた。
何が夫をそこまでの人間のクズにしたのかは多分永久に分からないことだと思うが、長男さんが、僕が二十歳前に煙草を吸いだしたら、「そんなに体に悪い物を吸うな」と泣きながら叱ってくれた父とは同じ人間とは思えませんと涙ながらに言われたことが印象的でした。
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